6月9日、定時総会終了後、6か所で特養を経営する濵田和則・晋栄福祉会理事長を講師に講演会を開催しました。参加者は84名(関係者7名含む)。大阪市ボランティア活動振興基金の助成を受けて行いました。
介護保険制度の重点化・効率化を図り、持続可能な制度にするための一施策として2015年度から始まった特養の入居要件「要介護3以上」。実施から3年経った今、利用者や介護現場にはどのような変化があるのか―。O―ネットからの事前質問をもとに、濵田理事長が解説を行いました。
「以前から特養利用者の9割近くは要介護3以上だったので15年度の制度見直し以降も急激な変化はない」と話す濵田さん。「ただし、経管栄養や喀痰吸引など医療ケアが必要な利用者や重度の認知症の利用者は増加傾向にある」と語ります。
こうした中で難しいのが夜間の対応。「夜勤時が不安」という声は多く、介護職員にも一定の医療知識が以前より求められています。
「要介護3以上」になったことにより、待機者は減少。施設の平均待機者は117・3人。半数の施設で待機者減となっています。
一方で、有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅などとの競合が激化。「待機者の減少にはこの要因も大きい。定員割れの施設も少なからず増えている」と濵田さん。「受け入れ体制を強化するには、医療・認知症対応の研修で職員のスキルアップを図るとともに、申込者のこまめな情報把握がより一層重要になる」と結びました。