赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動全国キャンペーン
「外国にルーツのある人々への支援活動応援助成」を受け開催いたしました。
※ご寄付いただいた皆さまには厚く御礼申し上げます
第64回O-ネットセミナー 『高齢者介護と共生社会の明日を見つめて』
定着のカギは生活満足度の向上
O-ネットでは9月17日(土)、第64回O-ネットセミナー『高齢者介護と多文化共生社会の明日を見つめて』をPLP会館中会議室で開催しました(中央共同募金会助成)。参加者は会場・オンライン併せ54名でした。前半は秦康宏・大阪人間科学大学准教授の基調講演、後半はパネルディスカッションを実施。パネルディスカッションの前には、特別養護老人ホームなごみで働く外国人介護職員の様子を撮影したビデオも上映し、参加者の注目を集めました。
基調講演【介護現場のこれからと外国人スタッフとの共働】
- 受入れ施設の評価は高いけれど…
2040年、日本の高齢社会がピークを迎える頃、全国で約69万人の介護職員が不足すると推計されています(第8期介護保険事業計画)。そのためアジアから人材の受入れを進めていますが、人手不足の解消はかなり厳しい状況と言えます。
というのも、人材確保の波は欧州や韓国・中国などにも及んでいますし、東南アジア諸国においても近年急速な経済発展により、都市部を中心に自国での雇用の受け皿が広がっているからです。
とはいえ、日本の多くの高齢者施設では外国人材の受入れを進めていて、そう
した施設の約95%は「うまくいっている」「ややうまくいっている」と回答しています※。
しかしこれは、あくまでも職場だけを見た表面的な評価であることに注意が必要です。とくに「夜勤や残業を進んで行う」という点を施設は評価していますが、そこには「貯金して母国に送らないといけない」という背景があることを忘れてはなりません。
現在、多くの受入れ施設では、外国人職員にさまざまな配慮や工夫をしています。施設長や担当職員はよく頑張っている。しかし、そうした頑張りは施設だけが担うことなのでしょうか。
一方、外国人職員のほうも、日本・母国から期待され、「よい人でいなければならない」という気持ちで頑張っている人は少なくありません。「とてもよくやってくれている」「利用者さんからの評判もいい」と評価されている。しかし、それだけに「困りごとを抱えてい
る人とみなされては困る」という気持ちを内面に抱いているかもしれません。
もちろん全員が問題をもっているわけではないだろうし、全員がずっと日本で働き続けたいと思っているわけでもありません。でも日本語の難しさや、文化・生活習慣・ルールの違いから戸惑うこともある。仕事では評価されていても、外国人職員自身の「生活満足度が高い」とはけっして言いきれないのです。
※全国115施設/法人に対して郵送調査を実施(2020年 秦)。
- Win―Winの関係で共生社会実現を
こうした課題を解決するには、外国人職員の日本語力の向上と市民による地域で支える力が求められます。そうした点で、職場とは利
害関係のない「第三者」の市民ボランティアが関わることには、とても意義があると思うのです。
病院などではメディエーターという、患者・家族と医療職との「橋渡し」をする人がいます。同様に、施設だけが外国人職員の生活支援
を担うのではなく、地域生活をサポートする「地域メディエーター」が必要で、応援隊はそんな役割の一端を担っていると言えます
「地域でつなぐ、支える」という新しいスキームによって、外国人介護職員の生活満足度が向上し、地域での受入れが進めば、高齢者介
護の向上にもつながり、win―winの関係ができる。共生社会とは、そうした関係性の中から生まれてくるものだと思うのです。
◯日時:2022年9月17日(土)13時30分~16時00分
◯会場:PLP会館 4階・中会議室
【基調講演】
『介護現場の“これから”と外国人スタッフとの共働』
講師:秦 康宏 大阪人間科学大学准教授
介護支援専門員や生活相談員として社会福祉法人聖徳園で20年以上勤務ののち現職。専門は高齢者福祉・スウェーデン高齢者福祉・外国人介護人材。論文に「東・東南アジア外国人介護人材導入事例の検証~成功事例における教育、サポート、管理システム上の創意工夫~」など。
【パネルディスカッション】
『外国人介護スタッフの困りごとに向き合う』
~市民によるサポートの新しいカタチ~
秦 康宏 大阪人間科学大学准教授(コーディネーター)
川田 誠 特別養護老人ホーム博愛の園施設長
青木 伸子/顧 和蓉 応援隊1期生
◯プログラム
13:30~13:40 オープニング、お知らせ
13:40~14:40 基調講演
14:40~14:55 休憩
14:55~16:00 パネルディスカッション
16:00 終了
◯定員:会場80名(申込先着順)、オンライン80名(申込締切9月15日)
◯対象:外国人介護スタッフの支援に関心のある方々、施設関係者
◯参加費:無料
助成:社会福祉法人中央共同募金会
申込方法:下記の手順でお願いします
(1)Web でお申し込みの場合
下記申込フォームに必要事項を入力し、送信してください
<申込フォーム>
(2)FAX・郵便でお申し込みの場合
下記の申込書をダウンロードし、事務局へお送りください。
<お申込書>
下記リンクをクリックして、チラシ裏面申込書をダウンロードしてください。
第64回O-ネッtセミナー
(3)電話でお申し込みの場合
水・土・日・祝を除く10:00 ~ 17:00 にお願いします。
主催・問合せ先:
介護保険市民オンブズマン機構大阪(O-ネット)
〒530-0041 大阪市北区天神橋3-9-27 PLP会館3F
TEL06-6949-8192 FAX06-6949-9296