特養入居で知っておきたいこと
プライバシー配慮のもと、待つことなくリラックスして入浴できるか
利用者にとって入浴は、身体の清潔を保って心身の疲れを癒すだけでなく、日々の生活にメリハリをつける役割を果たしています。
1週間あたりの入浴回数は「2回」が一般的です。随分少ないように感じますが、定められている基準では「週2回以上の入浴または清拭(せいしき:身体を拭いて清潔にすること)」とされています。冷暖房が完備されているせいか、利用者からあまり回数増を望む声は出ませんが、要望があればシャワーや清拭の代替策で対応しているところもあります。
以前は入浴というと、誘導・着脱・洗身に介助を分担し、流れ作業的に行うところが少なくありませんでした。浴室前の廊下に、順番を待つ利用者がずらりと並んでいる、カーテンがない中で着脱している…というところもありました。最近では少なくなりましたが、未だに「プライバシーへの配慮」に欠けるところもみられます。
一方で、待たせることなく、着脱から入浴まで1人の職員が1人の利用者に付いて介助する「マンツーマン入浴」を取り入れている施設も最近では増えています。また、銭湯のような大きな浴槽に複数の利用者が入る「一般浴」ではなく、家庭にあるような1人用の浴槽を利用する「個浴」を実施するところも増加しつつあります。介助する職員とのコミュニケーションを楽しみながら、入浴が利用者にとって「ほっこり」できる“とき”であってほしいものです。