特養入居で知っておきたいこと
尊厳に配慮し、個々の状態に応じたサポートができているか
排泄はすべての人が最期まで「自分で行いたい」と願うことでもあり、それだけに介護のなかで最も尊厳への配慮が求められる事柄です。
施設を訪れると、排泄臭を感じることがあります。おむつ交換のためのワゴン車が定期的に居室を巡回しているところでは、どうしても臭気が広がりやすいようです。最近はワゴン車ではなく、職員が小さな袋を携帯してさりげなく交換に回るなど、配慮している施設も増えています。
トイレのドアやカーテンを開けたまま排泄介助を行っている施設も未だにあります。職員にとっては動きやすいかもしれませんが、利用者の羞恥心への配慮が不足していると言えます。
多くの施設では、日中はパッドを使用し夜間はおむつを使うなど利用者の状態や時間帯に合わせて排泄介助を行っています。1日5~6回の定時介助だけでなく、利用者の訴えがあるときに随時に介助したり、同性介助を希望する利用者の意向をできるだけ尊重して、担当や勤務シフトを工夫しているところもあります。
しかし、なかには定時介助以外は対応しなかったり、尿意や便意を訴えても「おむつをしているから大丈夫」「もうすぐ入浴だから、そのとき替える」と返答したりしているケースもみられます。
排泄介助の対応の善し悪しは、その施設の介護の質と大きく関係していると言えます。