22%と極めて低い「拘束」の改善率
2013年度の1年間、オンブズマン活動を通して施設に伝えた事例を総括し、分析した報告書です。
総件数は594件、改善率は79%。2012年度に比べると件数減の項目が増えましたが、「車椅子」に関する事例は12年度の53件から、13年度76件と件数増に。オンブズマンが関心をもって利用者の車椅子の状態を観察し、苦情要望やオンブズマン自身の気づきを伝えた結果と思われます。
従来から改善率の低い「リハビリ」や「拘束」は今回も改善率が低く、とくに「拘束」は件数が9件と少ないものの、改善率は22%と12年度の50%から大幅にダウン。車椅子の抑制帯や、カテーテルを抜かないようにミトンの手袋やつなぎ服を使用したり…といった例がありました。身体拘束は利用者の心身に弊害をもたらすだけでなく、そうした現場で働く介護職員にもケアの質や士気の低下など悪影響を及ぼします。難しい課題ではありますが、多職種を交えて知恵を絞り、対応策への検討が望まれます。