虐待に発展する恐れのあるケースも 2例報告

2014年3月発行/A4判、70ページ、660円
2012年度の1年間、オンブズマン活動を通してオンブズマンから報告された事例を集約し分析しました。
顕著だったのは、活動12年目にして初めて、放っておくと虐待につながりかねない事例が2件、報告されたこと。どちらも排泄に関わるケースでした。
オンブズマンが利用者の訴えを聴き取り、施設に伝えることにより、職員の変更やユニットリーダーの交代などが行われ善処されましたが、これら2つの事例で興味深いのは、両事例ともに、利用者本人が家族に訴えているものの、家族から施設への申し立てはなかったこと。「施設にお世話になっているから面倒なことは避けたい」という家族の心理も透けてみえます。
そうした点で、第三者の立場から日常的に施設に入り、不適切なケアを未然に防ぐオンブズマン活動の意義と重要性を改めて確認した事例と言えます。