増え続けるリハビリへの要望。
改善率が低下する「拘束」
2015年4月から2016年3月まで、約85名の介護オンブズマンが活動した最新の記録。
活動は延べ40ヵ所にわたり、総事例件数345件の中から主な事例をソフト面・ハード面に分けて抜粋し、分析しています。活動施設は特養を中心に、介護付有料老人ホーム、介護型ケアハウス、サービス付高齢者向住宅を含み、いままさに高齢者施設で起こっていることが、この1冊に集約されています。
ソフト面には排泄・食事・入浴・リハビリ・車椅子など14項目があり、事例には、リハビリしていることを忘れてしまう利用者から「リハビリをしたい」との要望があり、オンブズマンがカレンダーに印をつけて説明することを施設に提案したことにより、利用者が自分のリハビリについて理解し笑顔になった報告例などがあります。
ハード面は居室と共有空間の2項目からなり、事例には利用者の「居室トイレの手すりを替えてほしいと頼んだが返事がない」という声をオンブズマンが伝えることにより、職員が利用者と話し合って姿勢保持用補助台を手作りするに至った例などがあります。