10年の施設の変化を独自データで分析
本書は2部構成で展開。10年間の活動を通し、特養の介護や生活において「何が変わり、何が変わらなかったのか」を明らかにしています。
第1部では09・10年度にオンブズマン活動を通して集めた事例を「介護・介護体制」「コミュニケーション」「リハビリ」など11項目に分類。
「改善できた事例、未改善のまま残されている事例とその特徴」「事例から見えてきたこと」について分析。
とくに「介護・介護体制」では、車椅子利用者が大半を占めているにもかかわらず、身体に合った車椅子の整備が不十分であることを指摘。今後の重要課題を提示しています。
第2部では、01年度から10年間の事例分析のデータをもとに、改善率を中心に、施設介護の変化を考察。
①05・06年度は介護職員の不足が目立ち、職員不足の影響は介護のさまざまな分野で改善率の低下となって現われた。
②設備や物品の整備は比較的進んでいるが、リハビリや外出支援の対応は低い。排泄介助、車椅子介助、身だしなみへの配慮などの日常の随時対応は、オンブズマンの指摘があると対応されるが、継続性に課題がある。
③エプロンをつけての食事待ちの光景は10年間で大幅に減少した。以上の点を、独自データで明らかにしています。