職員研修報告書!『外国人スタッフとともに働く職場環境づくり』
2020 年10 月9 日実施した研修会の報告書
—–外国の人々を、単に人手不足を補うための「労働力」とみるのではなく、日本人スタッフとともに働く「仲間」としてとらえたとき、受入れにはどのような準備や態勢づくりが求められるのか—–
介護現場では深刻な人手不足が続く中、近年、外国人介護スタッフの採用が増えつつあります。2008年度から始まったEPA介護福祉士候補生の受入れを皮切りに、2017 年度には技能実習制度に「介護」が加わりました。さらに、2019 年度より在留資格「特定技能」が創設され、外国人材への門戸開放が高まりました。こうした動きを見据えて企画したのが、この研修です。
外国の人々を、単に人手不足を補うための「労働力」とみるのではなく、日本人スタッフとともに働く「仲間」としてとらえたとき、受入れにはどのような準備や態勢づくりが求められるのか、日本人スタッフへの理解をどのように促すのか、受入れ後は仕事や生活面でどのような配慮が必要なのか、外国人スタッフの悩みごとや不安にはどのように向き合い解決するのか…。こうしたさまざまな課題について、2009 年度から外国人スタッフの受入れを始め、今では法人全体で100 人以上を雇用している社会福祉法人晋栄福祉会の大北淳・ナーシングホーム智鳥施設長から、具体的な取り組みについて話を伺いました。また、実際に介護現場で働いている2 人の外国人スタッフにも発表をお願いし、ざっくばらんに働き始めての思いを伺いました。
3人の方々のお話は、外国人スタッフの採用を進めていくうえで、非常に参考になる有益な内容でした。そのため「報告書」としてまとめ、活字として残すことは非常に意義があると考えました。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、現在は足踏み状態の外国人スタッフの採用・雇用ですが、収束したあかつきには再び受入れが進むと思われます。日本人にとっても外国人にとっても、働きやすく、親身になって一人ひとりに向き合う職場環境をつくることは、職員の成長や定着に欠かせない重要な要素です。この報告書がそうした職場環境づくりのための一助になれば幸いです。
【もくじ】
Ⅰ 講義『外国人スタッフの受入れと課題』
講師:大北淳・ナーシングホーム智鳥施設長
Ⅱ 発表『介護施設で働き始めて思うこと』
発表:ステファニ・ディアナ・シウィナンティさん(特養・宝塚ちどり、EPA介護職員)
レイ・ティ・タムさん(小規模多機能型居宅介護事業所きずな・介護職員)